kay me(ケイミー) 創業者 毛見純子

kay me(ケイミー) 創業者 毛見純子

毛見 純子 ― kay me(ケイミー)創業者兼リードデザイナー
起業家の毛見純子は2011年にkay me(ケイミー)を創業。スマートで着心地のよいオフィス着を見つけることが出来なかったことがあり、祖母からインスピレーションを受けkay me(ケイミー)の基盤を作り上げた。

  1. ボストンコンサルティンググループの経営コンサルタントとして最初のキャリアを歩み始めたそうですが- そこでの経験はどのように現在のビジネス経営に活かされていると感じますか?

BCGでは、効率性がとても大事とされました。これはつまり限られた時間と労力でいかに最大のパフォーマンスを上げるかに全員がフォーカスし、またそのメソッドや言語も共通化された環境でした。また一方で経営コンサルタントとして、私はクライアント企業のターゲット顧客層を明確にとらえその層に的確なアクションを行いクライアント企業の事業に貢献する責任がありました。これらの哲学はkay me(ケイミー)にも引き継がれています。アパレルはとても競争が激しい業界ではありますが、お客さまが必要とされていることをよく理解し、これまでも行ってきたように、独自のアプローチで、メディアを通じて、ブランドメッセージを伝えていきたいと考えています。

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  1. kay me(ケイミー)はプロフェッショナルの女性向けの服を扱っていますが、毛見さんの経験上ファッションや見た目は女性のビジネスにおいてどのくらい重要なのでしょうか?

ビジネスとファッションいうこの二つの要素はとても深く関係し合っていると思います。服は喜びの元ともなりますが、逆に誤った服を長時間着ることで苦痛や不快感の原因にもなります。私が会社員時代、仕事で着ていた服はときとして動きにくかったり、カラダをつかれさせたりしがちでした。女性の体は一人一人少しずつ違いますが、私の個人的な経験ではスーツのジャケットを長い時間着ているときよく肩が凝っていました。全てのkay me(ケイミー)商品は日本で熟練の職人の手によって縫われており、ストレッチがきくとても柔らかく肌触りのよい布地と糸から作られています。仕事中にそのような服でリラックスしていただけると、発想が解放されその人ならではの創造性や生産性につながるエネルギーが湧いてくると考えます。さらに素敵なドレスは自信にも繋がります。男性がマジョリティのビジネスにおいて保守的なスーツを着て雰囲気に合わせることに慣れそうになっていましたが、実際には働く時間は長いのに「女子力」が低下しているなと感じることが多くありました。そこで一度楽なドレスに身をまとい、女性らしさを表現することができると、自分自身もうきうきするし、また見た目にも自信を持つことができると考えています。

  1. kay me(ケイミー)の大きな特徴として着物にインスパイアされたデザインが挙げられますが、どのように伝統的な着物の要素をモダンなビジネスドレスに変えたのですか?

日本では古来より着物の色や柄はエレガンスな気分にさせるものであり、その着物の要素を仕事で忙しい現代女性の洋服に取り込みたいと思いました。オフィスやビジネスパーティでも使用して頂けるようちょうどよい色やパターンのバランスを考慮しました。どのドレスもジャケットとのセットとして昼間はオフィスで着て頂き、仕事帰りのお食事や社交的な場へ足を運んで頂けるようにと思い描きました。日本においては古代から愛でては明日への希望としてきた「花鳥風月」を大切なモチーフとして捉えています。

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  1. 毛見さんのおばあさまは着物のお店を経営していますよね。お仕事では、毛見さんの文化的遺産はどのくらい大切なのか、またそれはどのように毛見さんの働き方に影響を与えているのでしょうか?

kay me(ケイミー)は比較的若いブランドではありますが、kay me創設のきっかけは小さい頃に祖母が大阪のお店でお客さまと話している姿を何時間も見て過ごしてきたことです。わたしは自然美、つまり花鳥風月は世の中で最も美し色や形を表すと考えており、その花鳥風月があしらわれた着物を身にまとい女性たちがさらに素敵に変身する姿が焼き付いています。現代において仕事やそのほかに忙しいお客さまを出来る限りよく知り、そしてお客さまが素敵に見えそしてお客様の魅力が最大限に生かされるスタイルをお勧めすることが、今私にできる祖母への敬意の表し方でもあると思います。また、全てのkay me(ケイミー)のドレスが最新のテクニックと伝統を融合したものであり、国産のハンドメイドで生産することで、日本の文化、職人の方々への敬意を表しています。

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  1. kay me(ケイミー)の商品はストレッチがきいていて、さらに洗濯機で洗うこともできる初めての服だと言われていますが、女性がビジネスの場で着用する際、他の服の選択肢と比べてどのような違いがありますか?

kay me(ケイミー)を始める前、出版社での営業職や経営戦略のコンサルティング会社でコンサルタントをしており、また2008年に独立してからも自分で経営コンサルティング会社を経営してきました。早朝からまた翌早朝までほぼ24時間働くことも日常的でした。先にも述べましたが20代では男性がマジョリティを占める世界においてあまり目立たないように、女性を売りにしているように見えないようにシャープでダークなビジネススーツ、ジャケットを着用していました。しかし会社の代表となるころに私は、自分を表現していく際の服は、パートナー、つまり心の友達のようなものであるべきだと感じました。そこで、着心地が良く、かつ女性らしくいられる服を東京中探しました。またドライクリーニングに洋服を持っていくことや、取りに行くことに貴重な時間を左右されるのを億劫に思っていたため洗濯機でたとえ深夜に帰宅したあとでも気軽に簡単に自宅で洗うことのできる服が欲しかったのです。2011年3月に思い立ち社員といっしょに有楽町と銀座一円の大型ショップを探しましたがオフィスで着ることができるデザインで、さらに私の要望をすべて満たす服はどこにもありませんでした。kay me(ケイミー)はとても限られた市場かもしれませんが同じようなニーズを持つ忙しい現代女性がきっとたくさんいると信じ、またそのような方にまずは存在を知っていただきたいと思っています。

6. “洗うことのできるシルク”を使用したアイテムを開発されました。シルクは通常家で洗えない素材ですが、どのようにその布地を作り出したのでしょうか?

kay me(ケイミー)では年間を通じてコットン、レーヨン、ポリエステル、ナイロンなどをベースとした多種多様のストレッチ素材を扱っています。たとえばあまりヨーロッパでは見受けられませんが日本のポリエステルはとても高品質で、しなやかで通気性もよく創業以来お客さまのニーズをよく聞きながらよりレアでドレスにフィットし洗濯やシワに機能する素材を使用することができています。しかし私たちはもう1つのご要望である最高の肌触りと保湿性などを提供できる100%シルクジャージードレスを作ることも短期的な目標としてきました。しかしシルクは家庭の水洗いによって色が退行しそして大幅に縮みます。そこで全国をくまなく探し京都の伝統的な着物染色工場さんがもつ、洗っても色落ちせず、縮まない新しい技術と組み「洗えるシルクジャージー」を実現させました。これは特許をもつ薬剤と、伝統的でとても手間をかける自然乾燥手法を混合させたものといえます。1枚の生地を仕上げるのにかなりの労力と時間がかかりますが、これまでの素材とは異なるとみなさまからも好評をいただきとてもうれしく思っています

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7.今年の夏、ロンドンの中心地にあるメイフェアで期間限定の仮店舗を開いたそうですね。現地での反応はいかがでしたか?

多くの国から集まる人そのロンドンにおいて多くの人々の好みやタイプを知ることができました。期間限定の店舗はイギリスにおけるお客さまの好みを知るとても良い機会となりました。ロンドンはグローバルな街なので、海外のお客さまにもたくさん来て頂き、市場をもっと理解し、将来のデザインの選択肢を考えるための豊富なデータを集めることが出来ました。

  • kay me(ケイミー)の将来についての計画や希望はどういったものですか?

まさに着物が持つ悠久の美のように、kay me は300年続くブランドであることを願っており、現代の女性の常に変わりゆく需要をいつまでも追いかけ、さらに発展、成長させていきたいと思っています。一方で少し合理的に聞こえるかもしれませんが意志のある女性が集中したいことに時間をたむけられるように、洋服の購買やコーディネート、お手入れに関しては一切節約でき、またシワにならず扱いやすく、オフィスでも仕事後に楽しむ時でも着用して頂ける服をこれからも生み出し続けたいと思っています。kay me は包括的に女性が自分の夢を追いかける応援をしたいと思っています。また来年はロンドンにkay me(ケイミー)店舗を開店したいと思っています。

 

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